その13 かつらの陰



自分の場合は,かつらをスタートしてよかったと思う。
自分に自信をつける道具と思えばよいのではないだろうか。
毛があればモテるわけではない。
しかし,毛あることで積極性が持てるなら,モテる。
そういうことだ。

しかし,それでも毛と引き替えに失うものは大きい。

行動に制約が入る。
それまで,中学,高校時代の友人らと何年かに1回,旅行に行っていたが,それ以来,参加しなくなった。
何せ昔の仲間である。宿でふざけ合うことはよくあった。
かつらを着けていたらひとたまりもない。

ゴルフコンペでは風呂に入るのもためらわれる。
汗をかいたあとだから,皆頭は洗っているのに,自分だけシャンプーできない。
だが,それ以上に問題なのは,シャツである。シャツを脱ぐときに,どうしても動くのだ。脱衣場の隅で,壁に向かって脱ぐしかない。
脱いだ後,体を前に屈めたままで,かつらの位置を整え,それから体を起こすのである。
着るときも同様だ。

ちなみに,『シャンプーも可能です』という宣伝をしている店があるが,限りなく誤解をまねく表現である。
あれはシャンプーしても外れないという意味であって,人前でシャンプーしてもばれないという意味ではない。
触れば動くのだから,ばれないわけがないのだ。

趣味で野球をやっているのだが、試合も困った。
試合前後にホームベースに整列し,お互い帽子をとって挨拶する。これができない。
あんなに勢いよく帽子を脱げば,動くこと間違いないのだ。ヘタすりゃ,いっしょに外れる。
で,どうしたかと言えば,帽子のつばを持って,頭を下げるだけ。帽子はかぶったまま。
端から見ればマナーの悪い人だと思われるかもしれないが,仕方がない。

本当に苦労の連続である。




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