その6 A社のサロン



かつらの購入契約書に判を押すと、すぐにその場で頭の型をとった。

店員が30cmくらいの直径の円盤状の道具を持って来た。
円形枠の内側に柔らかい膜が張ってある。これが「フィッター」と呼ばれる型どり器だ。 金魚すくいの道具を大きくしたものだと思えばよい。 貼ってある膜は、熱すると柔らかくなり、冷やすと固まる。 これを熱してから頭に押し当てるのだ。押し当てて10分ほどすると膜が冷えて固まり、膜には頭をつっこんでいるから,頭の形が膜に写し取られるわけだ。
これに境界,つまりどこから「かつら」にするか,という線を引いて型のできあがりである。ものの30分。

「2ヶ月で完成しますからね。」
あっという間に120万円の契約をとったからか、営業マンは笑顔で店を出る私を送り出してくれた。

ああ、ついに、一線を越えてしまった。これで、かつら人の仲間入りだ..。

ところがである。契約して数日経つと,だんだん不安になってきた。
かつらに120万円も払わないといけないのか。たかが「かつら」に。
しかも120万円で手に入るのは、数ヶ月しか使わない移行用の「かつら」が3つ。ずっと使う「かつら」は1つだけ。
そんな死んだような金を払うのがいいんだろうか。
そもそも、120万円という金額は、本当に適正なんだろうか。

どんどん不安は広がっていく。
そこで、今更ながら、他の店の相場を探ることにした。
とは言っても、知っているカツラサロンはA社とB社だけ。
ということは、B社しかない。

B社に電話し、自然にカツラへ切り替えるいい方法がないかを聞いた。
すると,良いプランがあるから説明したいという。やっぱりこれは定番の質問のようだ。
話を聞きに、さっそく指定のサロンまで出かけていった。
B社が提示したのは、自毛に追加の髪を結びつける、いわゆる「増毛」という方法である。毎月、薄くなった部分に少しずつ髪を追加していくのだ。
これなら少しずつ増えるからバレないし、二度と使わない無駄なかつらを作らなくてすむ。
しまった。こちらの方がよかった。

とはいえ、後の祭りである。
既にA社とは、かつらの契約を結んでしまった。どうしよう。かつら生活、いきなり最初から後悔である。


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