その3 養毛剤「ロゲイン」


ロゲインの日本での発売を期待しつつ、国産の効かない育毛剤を日々試した。
何しろ、日本では海外の医薬品を入手する手段は無かったのだ。
インターネットで医薬品の個人輸入ができるようになるのは21世紀になってからである

しかし、そんなある日,筆者には千載一遇のチャンスが巡ってきた。 アメリカのサンディエゴへ出張することになったのだ。
小躍りしてよろこんだ。「これでロゲインが入手できる!」

しかし,それをどうやって買ったらよいかわからなかった。
今なら「ぐぐれ」(=googleで検索しろ)で終わりだが,当時はインターネットなんて便利なものはなかった。
正確には、なかったわけではないのだが,今のようにWEBが広く使われている時代ではなく,情報を集める場ではなかった。
(インターネットは、元は学術用ネットワークだった、と言ってもわかる人は今時ほとんどいないだろう)
結局、時間切れ。調べる手段もなく、何一つ情報がないまま、渡米したのだった。

サンディエゴはいい街だった。アメリカ海軍の第七艦隊の基地で有名な街である。基地がある街というのは一般的に治安がいい。 夜中に一人で歩いても不安がないほどだ。アメリカではどちらかというと珍しい部類に入る。
美しいサンディエゴを前にして、本当は観光でもしたかったが,それどころではなかった。
ロゲインを手に入れなければ...

とりあえず薬局に入った。乏しい英語力を駆使して必死に店主に尋ねる。 が、その店にはおいてないという。
薬局を何店かまわっても答えは同じだった。
だが、4店目の薬局で、ついにいい返事が返ってきた。
「あるよ」だが、店員は言葉を継いだ。
「ロゲインはあるが,診断書が必要だ。」

診断書だぁ!?

医師の処方箋がないと、買えないというのだ。
初めての海外で、処方箋なんてどうやって書いてもらえばいいのか...
困った顔をした私を見て、その店員はなにやらメモを書いてくれた。

「ここへ行って、これを見せろ」

「さ、さんきゅー」
意味するところはよくわからなかったが、言われたとおりにするしかない。
さっそく,紹介された診療所へ行った。
そこでは、医者からいくつか口頭で、質問を受けた。頭は見もしなかった。
10分足らずで終了。それだけで処方箋が手に入った。
だが、それだけで2万円近く取られた。ひどい話である。
大枚はたいて書いてもらった診断書を持って
薬局に引き返し,ようやく購入できたのである。

よくあんなめんどくさいことをしたなぁと今にして思う。髪への欲求おそるべし。
もっとも、数年後,ロゲインは診断書なしで誰でも買えるようになった。あの苦労はなんだったんだ。

そこまで苦労して買ったロゲインであるが,決して効いたとは思えなかった。 期待していただけに、落胆も大きかった

最新鋭の育毛剤も効かないなんて。いよいよ,かつらを考えなくてはもう手遅れになる...
だが、いきなりカツラなんて...もちろん、周りにばれるじゃないか。
どうしよう...


かつら屋に行く前に
かつらのWEB
福岡市や佐賀市なら3日でかつらが届く
かつらを使い始めて
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送